「祐一さん、起きてください」

誰かの呼ぶ声にゆっくりと目を覚ます…

「って佐祐理さんっ!?何で俺の部屋にっ!?」

起きたら知らない女性と一緒だった、もしかしてこのシチュエーションとはっ!?

「いやん♪」

嘘だろ・・・(汗)

「はい。今日は祐一さんに用があったので寝ているところ失礼だとは思ったんですけどお邪魔させてもらいました。」

(ホッ…)でも心の声は読まないでね、佐祐理さん。
しかし、こんな朝早くから用事だなんて、一体なんだろう。

「祐一さん、とにかく着替えて降りてきてください。佐祐理は下で待ってますから」


佐祐理さんの言葉に従い着替えて一階へ降りる。
と、問答無用で拉致された(泣)


で、何処へ連れて行かれたかというと…。

「…駅に何か用ですか?」
何処かへ出掛けるということなのだろうか。

「祐一さん、駅に来てすることは一つです。旅、ですよ(にっこり)」

スケールでかっ!!このお嬢のブレインにはちょっと出掛けるという概念はないのか!?
そのことを聞くと

「ふぇ?近くなら車を出してもらえばいいじゃないですかぁ(またまたにっこり)」

誰に出してもらうのデスカ…。
この方ならきっと『あははーっ、パンがないならケーキを食べればいいんですよーっ♪』
と、のたまうことであろう。

「ではでは祐一さん、張り切って行きましょー♪」

…俺に、拒否権は、ない。



           佐祐理の車窓から



佐祐理さんに従い電車に乗る。が…

「あの、佐祐理さん、俺達以外の乗客がいないのはどういうことでしょう?」
ナニやら非常に嫌な予感がするんですがね…。

「それは多分、この電車が佐祐理達専用の電車だからだと思います♪」

…多分じゃネーヨ、絶対だよ…。
しかし車両貸切どころか、電車まで貸切とは…

「佐祐理が電車が欲しいってお父様に言ったら、お父様が業者に発注してくれて…」

作ったんかいっ!!

・・・・・・・・・・・・・・・・


そんなこんなでとにかく列車は出発する。

車内は非常に快適で、どこぞの社長さん気分である。
佐祐理さんがくれたお茶をしばきつつ、優雅な時を過ごす。

「今日は祐一さんのために、日頃祐一さんが懇意にしてらっしゃる人達が祐一さんを喜ばせようと
頑張ってくれてますからそちらもお楽しみに(くすっ)」

何気に意味深な笑みを浮かべながら語る佐祐理さん。

ナニが、何が待っているのだろう(汗)

窓からだだっ広い草原が見え始めた頃。

「祐一さん、そろそろですのでこれを」
と、佐祐理さんがナースコールをする時のボタンのようなものを取り出した。

「?これは?」
「これから祐一さんを楽しませようとする娘の出し物がつまらないと思ったらこのボタンを押して下さい」

「は、はぁ、分かりました」
多少いぶかしみながらもそれを受け取る。
まぁ、軽い罰ゲームでもあるのだろう。

「あ、祐一さん来ますよ、一人目です」
唐突に佐祐理さんが外を指差した。
え、外?てっきり俺は電車の中で何かしらのサ−ビスをしてくれるもんだと…

「ブッ!!」

思わず飲んでいたお茶を吹き出すほど驚くべき光景が広がっていた。


草原の中に舞が一人立っている。いやそれはいいのだが…。


何故に馬に乗り、しかも巫女さんルックで薙刀持ってんだ、あいつは(汗)
しかも微動だにしない。何がしたいんだ?

「あのぉ佐祐理さん、解説してもらえます?色々と」
ええ、色々と。

「ふぇ、祐一さんお気に召しませんでした?うぅ、ごめんね舞。では祐一さんそのボタンを…(ニヤリ)」
「ちょ、ちょっと待った!(何だ今のニヤリは…)どういった趣旨でこの企画(?)が行われているか
分かればいいですから!!」
このボタン、一体押したら何が起こるんだ…(汗)

「そうですか(ガッカリ)祐一さん分かりませんか?この旅は祐一さんに様々な萌えを体験して頂いて
日頃の疲れを取ってもらおうというものなんです」

なるほど…それで舞は巫女さんアンド武術娘というわけか。

「確かに…萌え♪」
馬はイマイチよく分からんが。

「!祐一さん、今言いましたね!」
「へ?」
「今『萌え』って…」
「ああ、確かに。言いましたよ」

と、おもむろに佐祐理さんは携帯電話を取り出す。
「舞〜聞こえる〜?祐一さん舞にモエモエだって〜♪やったね舞、合格だよ〜♪」

なるほどなぁ、俺は萌えるコスプレを楽しんでその評価を下せばいいわけか。
実はコレ、かなりおいしい企画かも…。

しかし俺はまだ気付いていなかった。この企画の危険なニオイに…。




なんだかんだで列車のたびは続く。

電車は草原を抜け、川に差し掛かろうとしていた。

ピッピィーーーーーーッ!!

「ぬをっ(汗)」

唐突に佐祐理さんがホイッスルを吹く。

「はい祐一さん、続いて2番目の方の登場で〜す♪」

おお来たかっ!

遠くになにやら二つの人影が見える。どうやら女子高生のようだが…?

しかし、しかししかし!近づいてみるとあーらパラダイス!
セーラー服&ブレザーの美坂姉妹ではございませんか!
どっちがどっちだと思う?(誰に言ってる、俺)
大方の予想(俺的)を覆し、栞がブレザー、香里がセーラーでわないかっ!!

ちょっと大き目のブレザー、しかしスカートはミニの栞、萌え♪
アダルティーな魅力の香里とセーラー服のコラボレーション(?)、萌え♪

しかし、宴はまだまだ終わらなかった!

丁度列車が川を通過しようとした時。
なんと!二つのまーべらす(意味不明)が制服を脱ぎ捨てたではないですか!
そうなるとどうなる!答は一つですよ奥さん!
びゅーてふぉー水着!イェス、ザッツライト!

栞は可愛い花柄のワンピースタイプ。なんかこう、俺はロリではない、決してないのだが、
それでも、グッとくるものがあるぜ。

香里は白のビキニ。パレオもついてんだな。作者の好みか?(詮索スンナ)
清楚な白と香里の色香が融合してこちらもグッ!

「萌え〜!萌えじゃぁ〜(感涙)これほどの萌えがあろうかっ!人類、万歳」

もうこれ以上の言葉はいるまい。

「おお〜、祐一さんかなりの高評価ですねー。美坂さん、合格で〜す♪」

「やりましたよお姉ちゃん!『彼女が水着に着替えたら』作戦大成功ですー♪」

栞か。しかし何故にあいつの思考回路はいつも一世代昔なんだ(汗)



…どんなもんだで列車は走る。

今度は田んぼか。今まで考えなかったがいい景色だ。過酷な旅(?)における一服の清涼剤だな。
と…

『真琴まであと1km』

…なんだあの看板(汗)

「あははーっ。第3弾ですよー祐一さん」

ただひたすらに走って行く列車。あと1km地点に真琴がいるのだろう。

「おっ」

『真琴まであと500m』

いよいよ近づいてきたな。
さて真琴はどんな萌えを見せてくれるのか。

『真琴すぐそこ』

おおっ、遂に来た、遂にきたぞっ!

『真琴』↓

と、看板にはあるが…?

「あの〜、佐祐理さん?」

「どうしました?」

「真琴、どこ?」

「「・・・・・・・・・・」」

いない。何処をどう探しても真琴は見当たらない。

「あ!祐一さん、あそこ!」

と、佐祐理さんが指差す先には…

耳。

「なるほど、アニマルか!」

ふむ、確かに萌えと言えなくもない。が!
祐ちゃんこれまでの旅で目が肥えてきた!
真琴は元々アニマル。ちょっと安直過ぎたのではないか?

「祐一さんそれでは判定をっ!」

「そうだなぁ〜、今回は…」
と、判定を下そうとした瞬間、俺の目にあるものが飛び込んできた。

真琴が電車に向かって手を振っている。しかし、重要なのはその隣。
もう一つの耳が見えるような気がするんですが…。

「まさか…美汐?」
間違いない。真琴と違いいつまでも隠れっぱなしだが、美汐本人だった。

「萌え…」
この奥ゆかしさに、俺は、キタ。

「むむっ。またしても合格のようですね(チッ)。みなさんなかなかやりますねー」

「うむ。皆なかなか良く考えておるの。余は満足じゃ〜(ご満悦)」

「さてさて祐一さん、次が最後の出し物(?)ですよ〜」

なんと、次で最後なのか(ガッカリ)しかし、それならばこっちも気合を入れねば!



なんじゃもんじゃで電車でGO。

そろそろまばらに民家が見え出してきた。

すると、線路に沿って何かが落ちている。

一体、二体、三体…。
その物体が何なのかと言うと…?

「エレキング?」

間違おうはずがない、あの黄金に輝くその体。
その着ぐるみが列車の向かう方向に転がっているではないか。

そして進むこと数分。

「お、歩いてるエレキング発見」

しかも何故か農家のオヤジにやられてやがる。

「ねぇ、佐祐理さん、あれがもしかして萌え衣装?」

つーか、やってるの誰?

「あははーっ♪どうやらそうみたいですねーっ♪どういう意図か聞いてみます?」

そう言うと、佐祐理さんは携帯電話を俺に手渡す。と…

「祐一君、どう?ボクの自信作だよっ♪このエレキングの素晴らしいフォルム、輝かしいこの色!
これが真の萌えだよねっ!」

「……」

痛い、痛いよ(泣)

何がお前をそこまで追い詰めたんだろうな…”あゆ”。

「さて、それでは祐一さん判定をっ!(オセ)」

「いや、判定もなにもねぇ」

苦笑いしながらスイッチを手に取る俺。
敗因はあいつの感覚が一般人と大きくかけ離れていた点、です。

「ぽちっとな」

「(ニヤリ)」

俺がスイッチを押したその刹那、佐祐理さんに邪悪な笑顔が浮かぶ。

(へ!?)

遠くから大地を揺らすような、なにやら非常にヤバ気な音が聞こえてくる。
それは段々と近づいてきて…。

「って、テ○ドン!?」



ちゅど〜ん。



あはは、辺り一面焼け野原〜♪
あゆ、生きてるかな〜?

「佐祐理さん、色々と言いたい事はあるんですけど、とりあえず一つ。あれはどこから?」

「いやん♪祐一さん、女の子にそんなことを聞いちゃダメッ♪」

「…(汗)」

「ちなみにテ○ドンじゃありませんよ、祐一さん。そんなもの使ったら佐祐理たちもタダでは済みませんから♪」

だよね〜、俺もそう思ったんだ。
さすがに核はねぇ。でも十分な威力のミサイルでしたよ、佐祐理さん(泣)
つーか問題はそんなレベルじゃないような気がするんですけどね。


「さて、祐一さん気を取り直して旅を楽しみましょう♪」

「あー、そうですね…って、そういえばこの旅って終点はどこなんですか?」

「え!?…そ、そんなの決まってるじゃないですかぁ(恥)」

何故に顔を赤らめる?佐祐理さん。

「あの〜、佐祐…」

「そんなの、祐一さんと佐祐理が結ばれる時までに決まってるじゃないですか!(うっとり)」

「ちょ、ちょっと待ったぁ〜!!」

出た!このお嬢特有の激烈天然ワガママ!

「佐祐理さん!?明日は学校があるでしょ!?今日中には帰ったほうがよろしいかと…」

「学校?佐祐理にとって学校など祐一さんに比べればどうでもいいものですっ!!(超うっとり)」

「俺にはどうでもよくないんだ〜(泣)」


線路は続くよ何処までも。
明日は佐祐理のバージンロードへ到着します。





一方今回出番無しのあの方。

「うー、うー!!酷いよ、私だけのけものだよ〜!!祐一が帰ってきたら邪夢!邪夢ごはんに
豚肉の邪夢焼き、締めは邪夢ジュースなんだお〜!!」

「名雪?今回は仕方ないの。話の都合上4人までしか出れなかったのよ」

「でも〜!もし私が出てたらセーラー服に猫耳つけて薙刀持って祐一のハートはバックバクなんだお〜。
だいたいあのあゆちゃんのコスはなんだお〜(溜息)センスナッシング!ナッシングだお〜!」

「しょうがないのよ、今回あの子オチ担当だから。ちなみにあの子が一番元ネタに忠実なのよ。
敢えて名雪が出なかったのは作者なりの配慮なの。現にこうして最後たくさん喋らせてもらってるでしょ?」

「うー、分かったような分からないような(汗)」

             

                          完





後ガキ

ペペ「今回元ネタは”世界の○窓から”ではありません。”ごっつの車○から”です。以上」

あゆ「どうして元ネタに一番忠実なボクが酷い目にあうんだよっ!」

ペペ「悪い、最初の構想からあゆがオチになることは決定してたもんだからな」

祐一「ちなみにあのあと俺はどうなる!?」

ペペ「ん〜、シランシラン。想像に任せるぞ」

あゆ「あー!!祐一君やらしい顔になってるー!最低!」

祐一「ちょっ、待てよ!俺は非常に困ってだなぁ」

名雪「くー…祐一は…鬼畜だお〜…」

祐一「寝ながら言ってんじゃねぇよっ!」