「ようおまいら!元気してたか!?みんなのリーダー国崎往人だよろしくな!!聞くところによると、アレだ。なんだ、 今日は節分らしいじゃねぇか。懐かしいな、おい。昔放浪してた時なんざ、節分の日に各ご家庭から投げられる豆の おかげで食いつないで来れたなんて時もあったぜ。まぁ欠片ほど残った俺のプライドとの葛藤とかもあったり…」 「往人さん、話長い」 「おお観鈴か。まぁ聞いておけ。話は変わるが最近の女子高生は何でも言葉を略すらしいな。節分の日なんかに 『今日マメる〜?』とか言われたらお兄さん悲しくてコンチクショウだ馬鹿野郎」 「あり得ないし…。言ってること、すごく古いと思うよ?」 「馬鹿、お前が古いんだよ。俺は今をときめくみんなのリーダーだぞ」 「そうだよっ!!往人君は世紀末リーダー1号さんなんだからっ!!」 「…遠い昔の物語…。あれはギャグ漫画じゃなかったんでしょうか…?」 「あかんあかん!あんたら出てきたら地球の会話やなくなるから!」 「なんだ貴様、まるで佳乃が、理解できない地球外生命体のように言うのだな」 「そう言うとんねんこの変態女医がっ!!」 「佳乃、心配しなくていい。私だけはお前のことを理解しているよ(ポッ)」 「今回はみちるがしゅやくなのだぁ〜っ!!!」 「ぴこ〜っっ!!!(←そうはさせん!と言ってる)」 ドカッ!ガタン!ゲフン!ゲフン!ボカッ!ピコ〜ン。 「が、がお(泣)話、始まんないし…」 マメる!ろわいやる!! 「ってなわけでな、豆まきや」 どんなわけやねんっ!!とツッコんでも仕方ない。なにせ、節分ですからな。 オープニングで散々やっといてコレかいな感じだが、とにかくAIR面子での節分大会なのである。 「俺は食えりゃそれでいいんだが…。つーか撒くなんてなんか勿体無ぇって言うかよ」 どこまでも貧民根性が染み込んでいる往人だったが、確かに、食べ物を粗末にしている気がしないでもない。 「大丈夫や、居候。ただ撒くんやあらへん」 そう言って不敵に笑う晴子。 よく見れば、他の面々も似たような顔をしている。 「ちょっと待った!お前ら、何をする気だ…?」 果てしない嫌な予感から疑問を呈す往人だったが、その疑問に答える声は一つとしてなし。 「なんてことあらへん。毎年この地方ならどこでもやっとることや」 「いや、俺ここに来て節分初めてだし…(つーか人生で初めての節分だし…)一応詳しく教えて欲しいなぁ、とか」 寂しいな、往人。 「野暮やなぁ、往人ちゃん♪まぁ、ええ。教えたるわ。ええか、一度しか言わんからよ〜っく聞いとくんやで!」 ゴクリ、と喉をならす往人。 「今からここにおるみんなで豆撒き合戦!!最後まで立ってられた奴が勝者!!負けた奴らに何でも言うこと 聞かせられんねん!!武器は各自調達のこと!!10分後、開戦や!!…何か、質問は?」 「なんつーか…馬鹿か」 ごん!! 「ぐあっ!!痛えよ!そんな風習聞いたことねぇぞ!!大体、武器ってなんじゃい!!」 「あんた、ここに来て間もないんやからしゃあないけど、これはほんとに厳然と昔からある風習なんやで? あ、それから武器やけどな。別に豆飛ばせるんやったら何でもオッケーや。ちなみに去年はウチの最終兵器、 ロケットランチャーで優勝は頂いた」 「・・・・・・・。」 なんかもう、節分ってどんな目的だったっけ?とか、そもそも節分って言や、誰が鬼になるかでじゃんけんして、 きゃいきゃい言いながら豆を撒く微笑ましい行事ではなかったっけ?とか、そんな事を思わないでもない往人だったが、 なにせ『初めての節分!』なので、こうだと言われれば反論できない悲しさがあった。 「うふふ〜♪観鈴ちんが優勝したら往人さんと…(ニヤリ)」 「残念、それをするのは私だよっ観鈴ちゃん!!」 「…和姦…?」 このメインヒロイン三人衆、考えることは他にないのか、と言いたいが、往人を追い詰めるにはいい考えであるかもだった。 「…お前ら…俺には人権はないのか…」 周囲に棒線いっぱいぶら下げて崩れ落ちる往人。 「みちるが勝ったら鍵に乗り込んでメインヒロインだからね!!18禁満載で!!」 それをやってしまうとおそらく鍵様は…いやなにも言うまい。 「そうだな、私は佳乃と血が繋がってないということにしてもらうか…」 何をする気だ(汗) 「よっしゃ、みんな燃えてきたとこで解散や!10分後、ゴングと共に開戦やでっ!!」 「「「「「おーーっ!!」」」」」 闘いに備えるためだろう、皆小走りで去って行く。 取り残される往人。 「あ、ああ…(泣)なんだってこんなことに…ん?」 往人は目の前に、毛玉を発見した。 「お、おおっ!ポテト!お前は俺の味方なんだな!?そうなんだな!?」 思わずポテトを抱きしめようとする往人。 だが、ポテトはそれを軽くいなし、不敵に笑った。 「ぴこ(ニヤリ)」 そうして走り去るポテト。 震える往人。 さすがにショックがでかかっただろうか… 「あんの毛玉星人がぁっ!!!大気圏ブチ抜いて宇宙のチリにしてやるから覚悟しやがれぇえええっ!!!」 久方ぶりに人としての自尊心を突き動かされ、国崎往人、今、ここに起つ。 「やっててよかった公○式ってか…」 意味不明な言葉を吐きつつ、ずた袋の中を漁る往人。 取り出したるは一丁の拳銃。 「こないだの祭りで出てた屋台でついつい漢心をくすぐられて買ってしまったんだが…。今はあの時の俺に大感謝だぜ」 44マグナム。かのダーティーハリーと同じ型である。 素人が撃つと脱臼を起こすこともあるというシロモノだが、ま、エアーガンですから。 「ふふ…。早撃ち0.3秒とは俺のことよ…(ニヤリ)」 次元はコンバットマグナムだっつの。 根拠の無い自信のくせしてやる気全開の往人。 まぁ、銃を持つと何故か興奮するからな、漢は。 「さぁ、さっさとゴングを鳴らすがいい…。みんなみんな、血祭りじゃぁ〜(壊)」 と、しかしここで往人は重要なことに気がつく。 「そういや銃弾(つまり豆)は?どこにあるんだ?」 すげー基本的なことに今更気付いて蒼ざめる。 「まさか…タマも自己調達とか…?」 カ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!!!! そして無常にもゴングが鳴り響く。 「…世の先達も言っていたではないか。逃げるが…勝ちだっ!!」 往人、脱走。が、 「なんじゃこりゃあ!?さっきまでこんな鉄条網なかったじゃんよ!!」 家の周りにこれでもかと張り巡らせられた鉄条網。 今やそこはプリズン。いや、逃げることのかなわぬ戦場、バトル・ロワイヤルなのか。 どちらにしても往人に残された道は一つしか用意されていないようだった。 「どこに隠れれば見つかんないかなぁ(泣)」 ハナから戦意がまるでねぇのが情けなかった。 一方神尾家中心部(居間)では、激しい戦闘が繰り返されていた。 「はっはっはっ!!どうした佳乃!!逃げ回るばかりか!?」 庭からガトリングガンを乱射するのは聖。 「ムダムダムダムダァ!!」 そう言いつつ、サブマシンガンで応戦する佳乃。 爽やかに家屋をブチ壊しつつ、巧みにその残骸に身を隠しながら二人は対峙していた。 しかし、何気に二人ともマジで相手を殺す気である。 私達の知らないところで姉妹の溝は深まっていたのだろうか。 「佳乃!!何で分からないんだ!!あんな男はやめて私の胸に飛び込んで来いっ!!」 「私にその気はないって言ってるでしょ!!変態ババァ!!」 あーもう、この姉妹はこれしかねぇもん(汗) 「あんな社会のゴミ男のどこがいいって言うんだ!?私に言ってみろ!!」 「小間使いに丁度いいところ!!下僕にするには手頃でしょ!!分かったらサクサク死んでねお姉ちゃん!!」 妹を猫っ可愛がりの姉とお姉ちゃんっ子の妹というような本編の設定は完全に無視されている。 「くそっ!!私が優勝して必ず目を覚まさせてやるからな、佳乃!お、おしおきだからなっ!!(ポッ)」 「その『ポッ』が気色悪いのよこの年増ぁ!!」 「誰が年増じゃコラァ!!!」 ちゅど〜ん。 晴子参戦。 自慢のロケットランチャーを炸裂させ、二人の間に割って入る。 そして片手にはポテト。 体にロープをぐるぐると巻きつけられ、白目を剥いてピクピクしていることが全てを物語っていた。 脱落者No.1:ポテト 脱落理由:死亡 死因:晴子のロケットランチャーによる一発、プラス○▲%□×(この世のものとは思えない仕打ち) 「「チィッ!!」」 突然の晴子の乱入に姉妹喧嘩を中断し、物陰に身を隠す二人。 戦況はひとまず膠着状態に入ったように見えた。 「…ふふふ…」 しかし、その様子を物陰から見ていた一人の少女の行動によって仮初めの平和は脆くも崩れて行くことになる。 「そろそろ…始動です…」 その頃往人はというと、なんとか誰にも遭遇することなく、家の中へと侵入しようとしていた。 「しかし、何も玄関から入る必要はなかったよな。俺って結構義理堅い…」 ぐにゅ。 「!!!!!!」 かなり不快な感触に、全身総毛立つ往人。 「って…みちる!?どうしたんだ!?しっかりしろ!!」 脱落者No.2:みちる 脱落理由:死亡 死因:不明(ただし、とんでもない目にあったことは一目瞭然) 玄関先に転がっているみちる。まぁそれはいい(よくはない) 問題は、みちるの背中が不自然に凹んでいることにある。 (多分何かを食らったんだろうが…。晴子のロケットランチャーでもここまでは無理だろう…) 自分の想像に戦慄する往人。 そう、その考えが正しければ、この場所には晴子以上の危険人物がいることになるのだ。 「とりあえずここは逃げるか(泣)あ、でもみちるの弾はもらっとこう」 往人、銃弾(大豆)ゲット!! 「何処に行こうか…。風呂場なら前方を警戒してれば大丈夫だよな」 そう言って風呂場へと向かう。 ガラガラガラ…。 往人が風呂場の扉を開ける。 そして、そこで往人が見たものとは!! 「ひぃぃぃいいい!!」 情けない声を上げて腰を抜かす往人。 そこにあるものは2対の足だった! 「何気にホラーSS化してんじゃねぇよ!!聖アンド佳乃の変態姉妹が風呂に突っ込んで気絶してるだけだっ!!」 腰を抜かしてはいなかったらしい。 「『ひぃぃぃいいい!!』とも言ってねえ!!しかし…またこれか」 姉妹の背中には揃って大砲の弾でもぶち込まれたかのような凹み。 「不安が現実のものになってきたような…(汗)」 背中に銃弾の跡があるということは背後から撃たれたということだ。 凶悪な武器を持ちつつ、さらに非常な手段に訴えることが出きる人物。 「そんな奴っていたっけか…。まぁ、観鈴バーサクバージョンならあり得るかもしれんが…」 とかなんとか思案していた往人だったが、ふと、自分の現在の状況に気付く。 「マズイ。こんな狭いとこで攻撃されたら避けようにも避けれん。広いところへ移動だ!!」 脱落者No.3、No.4:霧島姉妹 残り、4名。 そして居間。 「は、晴子…」 最早敗者の証となった凹み。 しかし、その凹みが背中ではなく、尻にあったことが、前回優勝者のプライドを示していないでもない。 そして、凹んでいない背中には『進呈』の二文字。 「いらん」 容赦なく切り捨てる往人。 そして、辺りを見回しながら呟く。 「なるほど…。今回の事件の犯人が分かったぞ!!」 「…ほんと?…ハジメちゃん…?」 「俺は金田一くんじゃね…ギャーーー!!」 背後を振り向くと同時に絶叫する往人。 そう背後には…奴がいた。 「そ、そうか…戦い慣れたこのメンバーで背後を簡単に取るとはどんな奴かと思ったが…。お前の存在感の薄さなら それも可能だったってことか!!遠野!!」 「…がーん…。存在感…あるもん…」 何気に可愛らしく言い返す美凪だったが、恐怖に慄く往人の心を動かすことは出来なかった。 「普通動くかっ!!くそっ!くらえ早撃ち0.3びょ…」 ガシャン。 「え……?」 美凪が取りだしたる武器それは… 「た、対戦車用ミサイル!?冗談じゃねぇぞ、おい!!豆撒きだろ、コレ!?最大の豆だって『藻玉』の10cmのはずだぞ! お前、それ豆使ってねぇだろ!!」 美凪の肩に担ぎ上げられた重量感たっぷりのブツ。それは往人の想像を遥かに越えていた。 「国崎さん…御存知ない…『ジャックと豆の木』という…」 「御伽噺だそれはぁ!!モデルになった木はあるそうだがその木になる豆はそんなにでかくねぇ!!」 「…つまんない…」 ちょっとだけ顔を曇らせる美凪。 「取り敢えず…死んで下さい…。それとも…降伏しますか…?」 死ぬとは取り敢えずで片付くことなんだろうか?とか思いつつも、生きていられる選択肢があるならば悩むことなどない。 速攻で降伏しようと口を開きかける往人。 だが、それは突然発せられた声によって封じられた。 「ダメだよ往人さんっ!!例えかなわない相手でも、心で負けなきゃいつか勝てる日が来るよっ!!」 「観鈴…」 何気にかっこいい事をいう観鈴。だが。 「そういうことはまず、そのちゃぶ台の下から出て来て言え」 「ええっ!?だって、危ないよっ!!」 (てめぇの身はやっぱ大事なんかい…) 冷めた目で観鈴を見る往人。 しかし、美凪の意識は往人から観鈴へと切り替わったようだ。 「やっと見つけました…。ヒロインはここで叩き潰しておかないと…後々支障が出ないとも限りませんから…」 「何気に言うこと危険だな、おい」 往人が小声で突っ込むが、美凪は意に介さず、観鈴へと歩みを進めて行く。 そして、遂に観鈴の隠れているちゃぶ台に手をかけた。 「がおっ!!この時を待って…!!」 ゴン! 「イタイ」 立ち上がろうとしてちゃぶ台で思いっきり頭を打つ、観鈴。 「お前は何がしたいんだ…(汗)」 ごそごそとちゃぶ台から出てきた観鈴だったが、立ち上がると再び不敵な笑みを浮かべた。 「じゃ〜っんっ!!観鈴ちん必殺、ダイナマイト〜!!」 体中にダイナマイトを巻きつけた、いわゆる 「スイカ頭…!?(昔懐かしキョンシーの、あのキャラ)」 「もう火は付けちゃったからねっ!!これであなたも私と死…」 ドン!! 「あうっ……」 至近距離での対戦車用ミサイルがどてっ腹に。 吹き飛ぶ観鈴。 どさっ!! パパン!!パン!!パン!! 「あっあっ…がく」 さらにダイナマイトの追加攻撃。 観鈴、死亡。 「さて…国崎さん…さっきの続きです…」 「ひぃっ!!」 恐れ慄く往人。 「降伏か…死か…好きな方を選んでください…」 「も、もち、こうふ…」 降伏、と言いかけた往人だったが、ふと、あることに気が付いた。 それは、美凪のミサイルの弾数。 (その威力が強力であればある程、その武器の使用最大回数は制限される…ってこないだブリーチで読んだぞ。 ってことはもしかしてあの武器、もう弾切れなんじゃ…っつーか確か、対戦車用ミサイルは一発しか撃てなかったはず!! よっしゃそれなら!!) 「はっはっはーっ!!悪いな遠野!!俺の勝ちだっ!!」 そう言って必殺の44マグナムを構える往人。 「死ねとお…」 ドン。 吹き飛ぶ往人。 「ぐふ。…バ…バカな…!!対戦車用ミサイルが連射できるなんて話は聞いたことが…」 「…弾切れとでも思いました…?…つくづく甘い…。そんなご都合主義…私が許しません…」 なんと!主導権が美凪に奪われた!! 「それに私…コレが対戦車用ミサイルだとは一言も言ってませんよ…」 「じゃあそれは一体…?」 「…美凪専用バズーカ…「お前の方がよっぽどご都合主義……がく」 往人、死亡。 「ゆうしょう…。ワー…ぱちぱちぱち…」 誰もいない家に、美凪の声が響き渡る。 吹きぬける北風。 最早廃墟と化した家屋。 そして結局オチもクソもなかった結末。 止むことのない寂寥感。 どうすればよかったんだろうと悩みつつ…書いてしまったことを悔やみつつ…。 今日も日が暮れる。 「・・・ちゃんちゃん・・・」 完 後書き ペペ「ああっ!!産まれるっ!!産まれる〜っ!!」 往人「やめい気色悪い」 ペペ「いや〜難産だったよこのSS。久々に駄作の称号をあげたいね!!」 往人「爽やかに言うな。どうする気だこのSS」 ペペ「後書き書いてる時点でわかるだろ?載せんだよ」 往人「うわマジかよ!?怒られてもしらね―ッ!!」 ペペ「う…」 往人「まぁ、これを読んでくれてる人は最後まで読んでくれたってことだぞ。言うことがあるだろ?」 ペペ「ほんとーに、ほんとーにすみませんでした!!そして読んでくれてありがとう!!次は頑張るよっ!!」 往人「頑張ります、だ!」 ゴン!! 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