これは、一人の男の子と、一人の女の子のおはなし。



            君のとなり



高校生のゆういちくん。

最近気になる子ができた。

それは夜の学校で会った女の子。

ちょっと変わった女の子。

剣を持っていて、あんまりしゃべらない。

ちょっと怖い。



それでもゆういちくんは、なんだかそのこが気になって、毎日会いに行く。



女の子の名前はまい。

まいちゃんはあんまり話さない。

あんまり笑わない。

だからゆういちくんはなんとかまいちゃんを笑わせたくて。


まきずしを持って行った。


まいちゃんは笑わない。


なっとうを持って行った。


まいちゃんは笑わない。


ぎゅうどんを持って行った。


でもまいちゃんは笑わない。



ゆういちくんはほとほとこまりはてて、とうとうまいちゃんのとなりにしゃがみこんじゃった。



そしたら。



まいちゃんがにっこり笑った。


ほんの少しの間だったけれど、

まいちゃんはやさしくほほえんでいた。

ゆういちくんはびっくり。

うれしいけれどびっくり。

だからまいちゃんに聞いてみた。


「どうして笑ってくれたの?」



するとまいちゃんはこたえました。







「あなたがとなりにいてくれるから」





ゆういちくんは、それからずっと、まいちゃんといっしょ。

だって、ゆういちくんがとなりにいれば、まいちゃんは笑ってくれるから。




後書き

ペペ「童話風初挑戦ということで」

祐一「かゆい!ぬあ〜!!かゆい〜!!」

ペペ「だまれ。俺も恥ずかしかったわい、書いてて。でもこれ書いてて思ったんだけどさ」

祐一「何を」

ペペ「童話とか、絵本書いてる人って、やっぱすげーわ。短い文でさ、言いたい事をストレートに、且つ
   あったかく書けてるっしょ?俺には無理だす」

祐一「プロと比べること自体が間違いだけどよ、まぁ、確かにすげーよな」

ペペ「あなたももう一度子供の頃に読んだ絵本を読み返してみては?今の自分がなくしてしまっている、
   何か大切なものに気づくことがあるかも」

祐一「一番なくして汚れちまってるのはお前だろうけどな」

ペペ「・・・・・・」