もう、随分昔のことだ。 俺がドラムを始めたのは。 理由なんて特にはなかったと思う。 ただ、俺は部活なんてものをしちゃいなかったし、何か暇つぶしになるもん、その程度だったはずだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「ね、相沢君さ、ドラムやってんの?」 ああ、やってるな。 「ふぅん…。それって…ゲイジュツ?」 知るかそんなもん。 「楽しい?」 …まぁまぁだな。ま、ストレス解消にはなるんじゃねぇの? 「そうかそうか。…でも、いいね」 何が? 「キミのドラムの音」 そうか? 「うん。速くなったり、遅くなったり。自由に走り回る人の鼓動みたい」 それがいいのかよ? 「うん。すごくいい」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ それから、ちょっと、真剣に練習した気がする。 …何だよ? だから言ってるだろ。 俺がドラムやってたってのは 昔の話なんだよ。 GROOVE!! Vol.2 デンジャーバンド結成!? 「う〜んっ♪楽しかったですねぇ!祐一さん」 「そうですか…そりゃよかったですねぇ…」 楽器屋からの帰り道、まだぐわんぐわんいってる耳を押さえつつ、俺は溜息をつく。 意識が戻った時、さすがに佐祐理さんも事態のやばさに気付いたのか、演奏は止めていた。 速攻でボリュームを確認。 フルボリュームかよ(汗) これでなんともないってんだから、ある意味すげぇ。 そんなこんなで、店員を介助し、店を出る頃にはすっかり日が暮れていた。 そうそう、例のギターだが。 お嬢様はたいそうお気に入りになったらしく、即決でご購入なさった。 カード一括払いの25万。金持ちってのは皆こうなのか? 飛びますよ、俺の頭が。 僕たち、高校生ですよ? 「あ〜、早く弾いてあげたいね、たぶち♪」 「なんすかその名前は…(汗)」 「え?このギターの名前ですよ♪カッコイイでしょ?」 「あ〜なんというか…。分かる人は分かるでしょうが分からない人は何の事やらですよね(汗)」 つ〜か、楽器に名前つけるのはどうかと思いますよ…。 「いいんです〜♪それに、もう決めちゃったんですから♪」 「はぁ…。まぁ別に構わないっすけどね…」 ギターを抱きかかえるようにしている佐祐理さん。 ハードケースだし、結構重いはずなんだが、何か軽々だよな。 実はものすごい怪力だとか? ……。何かどんどん俺の佐祐理さんイメージが崩れて行くんだけど(汗) 「祐一さん?佐祐理の顔に何かついてますか?」 どうやら凝視してしまっていたらしい、佐祐理さんが不思議そうな顔をしてのぞきこんでくる。 「あ、いや、別に(汗)そ、そういや佐祐理さん、ギター買ったはいいけど、どうやって練習するの?」 場所の問題とか、色々あるからな。 「え?ん〜、そうですねぇ…確かに佐祐理一人で練習するのも寂しいですよねぇ…」 「あ、いや、そういうことではなく…」 「そうだ!この機会に佐祐理もバンドを組んでみようと思うんですが、どうでしょう?」 その前に例え一人で練習するとしても、その場所があるかっての、大事だと思うんですが…。ま、いいか。 佐祐理さんだもんな。色々な権力財力をお持ちだろうしな。 「いいんじゃないですか?その方が上達も速いし」 「ですよねっ!で、そう言えば祐一さんってドラムやってたんですよね!?」 「バンドはやりませんよ」 速攻却下。赤い髪の関西弁おばさんも真っ青だ。 目をキラキラさせて聞いてくる佐祐理さんだったが、さすがに俺もこれは譲れない。 「ええ〜っ!?どうしてですか〜っ!!」 「俺はもう卒業したんですよ。そういうのは」 「じゃあもう一度入学しましょう!!」 「いや意味分かんないですって(汗)とにかく!他を当たって下さい。俺は…ぐっは(汗)」 また出た、ウルウル(汗) そしてお願いポーズ。 「祐一さん…」 いやいや!!ここで引いたら永遠にコレで無理を通される!! 「すんませんけどやっぱり…」 すると佐祐理さん豹変。 ジト目で睨む(汗) 「ひ、ひどいですっ!色々教えてくれてたのに…飽きたらすぐポイッ!!なんですね祐一さん!!」 「ちょっ、佐祐理さん!そんな誤解を招くような言い回しはやめてくださいよっ!!」 言い忘れていたが、ここは商店街のド真中なのだ。当然回りの視線が突き刺さるように痛い。 そんな、わざと周りに聞こえるような大声で言わなくても…(汗) 「佐祐理は本気だったのに〜(泣)祐一さんは遊びだったんですねっ!!うえ〜ん!!」 「頼みますから勘弁してくださいよ〜(泣)」 チクショー確信犯め〜っ!! 「じゃ、ドラムやってくれます?」 さっきまでの涙がウソのように、コロリと表情を変え、可愛らしくお願いしてくる、佐祐理さん。 母さん、俺の目の前に小悪魔が一匹いるよ…(泣) 「だからダメなもんはダメって…」 「うえ〜〜〜〜ん!!」 …ほんと勘弁してくれ。 次の日、まぁ当然だが学校だ。 そして昼休みと言えばまぁ、いつもの如くと言うか、俺の行く場所と言ったら…。 「あははーっ♪舞、舞、どう?似合う?」 「…ぐっじょぶ」 「あははーっ♪ありがと舞♪」 ココに来るわけだ。 「佐祐理さん、嬉しいのは分かりますけど、学校にギター持ってくるのはどうかと思うんですが…」 「ふぇ?どうしてですか?」 「没収されちゃいますよ」 つ〜か、よく昼休みまで何も言われなかったもんだよ。 「大丈夫ですよ〜!そんなことする人がいたら裸でコンクリート抱かせて海へドボン!!ですから♪」 「…さよなら人類」 シャレでも笑えません。 「それは置いといて。祐一さん、佐祐理、早速メンバー集めてるんですよ〜♪」 いや、あんまし置いときたくない問題ですがね。 しかしこういう場合、ツッコミは激不可なんだろう。 「…へぇ。それで集まりそうですか?」 まぁ、この人が集めようと思ったら集まらないということはないと思うが。 「そこなんです!!祐一さん、バンドって何人いればできるんですっけ?」 まずそこからかよ!! ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 「あ〜、と。まぁ最低限ギター、ベース、ドラムは欲しいとこじゃないですかね。まぁ色んなバンドがあるから、 一概には言えないですけどね。後、楽器する奴らが歌わないならボーカルも要りますね」 ほんと、最近は色んな構成のバンドがある。けど、まぁ基本的なのは三人か四人だろ。 「はぇ〜、そうなんですかぁ。じゃ、後はベースを探すだけですねぇ♪」 「え?もうそんなに決まってんの?」 以外に行動派なんだなぁ、佐祐理さん。まぁ、昨日のアレを見てたら分からないでもないけど…。 「はい♪まずドラムが祐一さんで…」 「だから俺はやらないって!!」 「う〜…。祐一さんヒドイ…(ホロリ)」 また色気落としか。 さすがに慣れてき… ちゃき。 「…舞。剣を喉元に当てるのは危険だぞ」 「佐祐理を悲しませたら許さない」 「今回ばかりは見逃してくれ」 「佐祐理を悲しませたら許さない」 「あ〜…まず人の話を聞くところから始めようか?」 色気の次は暴力による脅しか…。 なんだって人が抵抗し難い交渉手段ばっかり…(泣) 「…まぁつまり、要約するとまだ一人も集まってない…と」 「あははー♪そう言われるとそうなりますかねーっ♪」 「どう言われてもそうなりますよ。じゃあ、取り敢えず俺の知り合いで出来そうな奴を探しておきますから」 そういうことで、と佐祐理さん達と別れ、俺は自分の教室に。 昼休みが終わりだからな。 つってもそんな奴はいそうにないけどなぁ…。 名雪。 眠りながら演奏って…。無理だし、なんか、ヤダ。 あんまし格好よくないし…。 つまりは絶対にあり得ない、ということだな。 香里。 クールビューティーな印象がある香里がバンドを? 勉強とかスポーツは出来そうな感じがするが…。 しかし、やる姿を想像すると、ヘビメタ姿なのは何でだろう…。 栞。 絵がアレじゃ他の芸術もダメダメっぽいよな。 さすがに常軌を逸した才能のなさでは短期間の上達は難しい。 真琴&あゆ。 子供に楽器は無理だよなぁ…。 つーかうちの学生じゃないし、学校で演奏、とかなった場合出られない。 と、気付けば放課後じゃねぇかっ!! こんなことで午後の授業を無にしてしまうとわぁっ!! あぁ、優等生相沢の名に傷が…。 「ゆ〜いちさ〜ん♪」 「うおっ!!…って佐祐理さん。どうしたんですか?わざわざ俺の教室まで来て(汗)」 「もう誰か見つけてくれたかな〜って思って、成果を聞きに伺ったんですよ、ね?舞」 「(コクコク)」 処刑人の舞を引き連れ、女王様の御成り。 死刑宣告五秒前。 「いや、まだちょっと見つかってないんですけど…」 「え〜っ!?まだなんですかぁ?祐一さん、もしかして友達少ないですか〜?」 ぐっさ!! 大丈夫、大丈夫だ祐一。決して友達が少ないわけじゃない!楽器をやってそうな友達がいないだけだ!! 「う〜ん、でも困りましたね〜。これじゃなかなかメンバーが集まりませんね〜」 全部俺任せですかい? と、その時。 ある人物が俺の視界に。 「あ、おい、触角…」 「触角言うなっ!!何か用か?相沢」 むぅ…つい声を掛けてしまったがやはり… 「…遊びじゃねぇしな…」 「オイ待て!今何か言おうとして止めただろ!!言え!教えろ!!…パンチラスポットか!?」 きょうびパンチラなんて久しく聞いてなかったな。 …これだから却下なんだが。 まぁ一応聞くだけ聞いてやるか。 何の参考にもならんだろうが…。 「取り敢えず一度死ね。まぁ、なんだ、お前、楽器何か出来るか?」 「え?楽器?何だ、バンドでもやんのかよ。まぁ一応ギター、ベースあたりなら出来るけどよ。相沢とはなぁ。 何か男臭そうなバンドっぽいもんなぁ」 よし、やっぱりこいつは却下だ。 「祐一さんっ!ベース発見じゃないですかぁ!!」 佐祐理さん…。また厄介なところで…。 「…え?あ、相沢クン…。も、もしかしてアナタがやるバンドのメンバーって、この見目麗しき女性なのか…?」 「あぁ…。まぁそうだが…」 「いや〜はっはっ!!俺も丁度バンドでもやりたいな〜って思ってたとこでさぁ〜っ!!」 「ほんとですか〜っ!?」 いやいや佐祐理さん、さっきの会話聞いてたでしょうが…。 100パーセント、目当てはあなたですよ。 「ちょっ、佐祐理さん…マジでこいつでいいんですか?」 「もちろんですよ!!一緒に頑張りましょう!!触角さん!!」 「あ、はい、よろしくお願いします…。でも、ボク触角って名前じゃないん…」 すっ。 「はい?」 差し出された一本の手。 「…よろしく、触角」 「あはは…まぁいいや触角で…♪」 舞の手を握れたことがよほど嬉しかったんだな、北川。 ほんと、飢えてるんだな、北川。 哀れだな…北川(涙) 「って、舞も何かするのか?」 よろしく言ったからにはこいつも何かするんだろう。 「祐一がどうしてもやらないって言うから私がドラム。ちゃんと教えて」 「お、そうなのか。オーケー、手取り足取り教えてやるよ」 「…祐一、表現がやらしい…」 「ば、馬鹿。他意はねぇって!!」 妙に最近敏感だな、この手の話題に(汗) 「ではでは!!メンバーが揃ったところで、今週の日曜日、早速練習といきましょう!!佐祐理の家に集合ですよ〜♪」 やれやれ、佐祐理さんも熱心なことで…って、家? 何気に嫌な予感がする召集だった。 そして日曜日。 佐祐理さんの家が分からない俺達は、舞と待ち合わせをしていざ倉田邸へ。 「「・・・・・・・・・・・・・・・・」」 「…祐一、どうしたの?」 舞が不思議そうに聞いてくるが、俺達の反応はごく一般的なのではないだろうか。 玄関が見えません(汗) 先程、邸、と言ったが、まさしく倉田家は豪邸だった…。 「舞…、お前は堂々としてんなぁ…」 北川なんて腰抜かしてんのに。 「…そう?友達の家に遊びに来たのに、こそこそしてる方がおかしいと思う」 「まぁ…、普通はそうだけどよ。お前も初めてきた時はビビッたろ?」 「…別に。佐祐理は佐祐理。いつもと変わらないから」 「・・・・・・・・・・・・」 確かに、その通りなのかもしれない。 どんなに凄い家に住んでいても、佐祐理さんは佐祐理さんなんだもんな。 俺も舞を見習って、堂々と… 「祐一、その道から出ちゃダメ」 「は?」 足元を見ると、確かにアスファルトで舗装された道路から出そうになっていたが…。 別に出たからって道に迷うとかはないだろ。 「その道から出ると、かぶれら達が襲うから」 ??? なんだよカブレラって…。 と、周りを見渡す…。 !!!!!!!! い、いらっしゃったぁ〜〜〜〜〜っ!!! コレはなんだ、熊か!?と思われるくらいの「犬」。 それがひぃふぃみぃ…五匹も(汗) 「ウ、ウルフドッグ…(汗)」 カ、カブレラの名にふさわしい、堂々とした立ち居振舞いっす(汗) 「佐祐理の家の番犬。名前は『かぶれら』と『ぼぶ』と『あけぼの』と『ちょうの』と『きよはら』」 また怖そうな奴の名前ばっか…(汗)つーか全員平仮名なのかよ。 「このアスファルトから出ると侵入者とみなして襲ってくるから。気をつけて」 「お、おう…」 足がガクガクして来て、歩けるかも不安だけどな(汗) 「あ、相沢殿〜…ボク、おうち帰る〜(泣)」 …知るか(汗) しばらく歩いて玄関まで行くと、佐祐理さんが待ってくれていた。 「あははーっ♪皆さん、お疲れ様です〜♪」 「本っ当〜に疲れましたよ…。で、何処で練習するんです?スタジオとか予約してるんですか?」 「いえいえ〜♪佐祐理のおうちで練習しま〜す♪」 やはりそうきたか。 家に呼びつけるところからしてそうではないかと思ったが。 「佐祐理さん、ご近所迷惑というものも考えないと…。あと、ご両親の許可とか…」 「いいんですよ〜♪そんな細かいとこは♪それに、お父様達は笑ってらっしゃいましたから〜♪」 佐祐理さんの言葉に、少し安心する俺。 両親の許可があるなら、最悪身の安全は保証されたはず… かと思いきや。 「『誰がそんなこと教えたんだい?』と言ってましたけど〜、基本的に佐祐理の言うことは聞いてくれますから〜♪」 ダイブだ、ダイブ決定だ(汗) 「せめてきれいな海に投げてくださいね…(泣)」 「??祐一さん、どうしたんですか?移動しますよ〜」 そう言いながら屋敷に入る佐祐理さんに、泣く泣く従う。 もうちょっと人生楽しみたかったのに…。 そして目的の部屋へ。 「うお、すげーっ!!ライブハウスと変わんねぇよ!!」 練習するにはあまりに広いその部屋に、北川が驚きの声を上げる。 …そういやいたんだったな、コイツ。 「祐一、まずは手本」 舞がスティック(ドラムを叩くバチみたいなもんだ)を投げてよこす。 「へいへい…どうせ後先短い身ですからね…思う存分こき使ってくださいよ…(泣)」 「??」 北川や佐祐理さんが準備をしている間に、ドラムセットの前に行き、そして、座る。 ああ、久しぶりだな、この光景、この感覚。 訳もなく高揚する、この気持ち。 ドム。 そうだ、この音だよ。 この音に、俺は、惹かれたんだ。 気付けば、スティックを握り締めていた。 気付けば、目の前にあるドラムを、殴りつけるように叩いていた。 俺の激しくうねる鼓動を、そのまま映し出すように。 「はぁ、はぁ…」 荒い息をつきながらふと我に帰ると、みんなが呆然とした顔で俺を見ていた。 「あ…。悪ぃ、ちょっとうるさかったか?」 「い、いや…。相沢、お前…ドラム上手かったんだな」 呆然状態からいち早く戻った北川が呟く。 「そうか?」 「そうですよ〜っ!!佐祐理の目に狂いはなかったですね〜っ!!」 微妙に恥ずかしくてポリポリと頬を掻く。 「どうだ?舞。こんな感じで」 「……」 「ん?どうした?」 「…すごくよかった。楽しそうに走り回る人の鼓動を聞いてるみたいだった」 『自由に走り回る人の鼓動みたい』 まさか、また聞くことが出来るなんて。 俺のドラムを初めて誉めてくれた人の言葉を。 もう二度と聞くことはないと思っていた、言葉を。 「祐一…?」 「あ、すまん。よし、んじゃ舞、やってみるか?」 そう言ってドラムから離れるが、舞はイスに座ろうとしない。 「ん?どうしたんだよ」 しばらく何か考えていたような舞だったが、うん、と一つ頷いて口を開いた。 「やっぱりドラムは祐一がするべき。佐祐理のバンドには、祐一が必要」 うっ、さっきのこともあってかなり気持ちがぐらつくが…。 「ダメだって。大体、そしたら舞のすることがなくなるじゃねぇか」 「私はいい。佐祐理が楽しんでくれるのが私の喜びだから」 そう言って、信じられないくらいに素敵な笑みを浮かべるのだ。 それは、色仕掛けや、暴力による脅しなど、比べ物にならないほどの破壊力で。 「は〜。分かったよ。佐祐理さん、俺がドラムでもいいか?」 「もちろんと言うか、大歓迎ですよ〜♪」 ぴょんぴょん跳ねながら喜んでくれる佐祐理さん。 「だ、そうだ」 そう言って舞に振る。 「うん、よかった」 そう言って、また微笑む舞。 こいつのたまに見せる笑顔には一生勝てないな、とか思いながら。 やっぱり心のどこかでドラムが出来ることを喜んでいる俺がいて。 結局はこうなることを望んでたのかもしれなくて。 つ〜か、やらないって言ったのにもかかわらず結局やってしまうって、実はすげー格好悪いんじゃ…。 「う〜ん、でも、やっぱり舞にも何かやって欲しいなぁ。…あ、そうだ!」 これはいいことを思いついた、とばかりに手を打つ佐祐理さん。 「舞、ボーカルしてくれない?」 と。 えええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜!? 「ちょっ、佐祐理さんそれはちょっと無理…」 日常から喋れつっても喋らない舞が歌を歌うなんていくらなんでも無理があるだろ。 大体、いくら佐祐理さんの頼みでも、舞が乗り気になるとは…。 「ボーカル…」 うわ、めっちゃやる気だし(汗) 目とかキラキラさせてるし。 「そう♪ボーカルかっこいいよ〜♪一番目立つし、バンドの顔だし、祐一さんも惚れ直しちゃうかも〜♪」 「ヤル」 あ〜…。即答だし(汗) 「まぁ…これで舞もバンド参加出来る訳だし、よしとするか…」 やっぱり、このバンドに舞がいないっての、どこかしっくりこないもんな。 「よっしゃ〜♪これにてバンド『俺とキルマスィーン!!』の結成ですよ〜♪」 「マジでそのバンド名にするんすか…?(汗)」 「バリバリマジですよ〜っ♪」 あぁ、バンド名からして既にやらかしちゃってるよ…。 つーか、『俺』って誰なの、佐祐理さん…。 『俺とキルマスィーン!!』=トンデルギター+サムライボーカル+死刑宣告済ドラム+変態触角ベース=イタイ。 色々と、イタイ。 後書き はぁぁああ。なんとか二話終了。 なんだかんだで今回も分かりにくいところがアリアリでしたねすいません。 しかも、コメディなんだかシリアスなんだか訳分からんし。 あ、ちなみに冒頭で祐一のドラムを誉める女の子に、特定のモデルはいません。 ペペの脳内妄想です。 敢えて言うならさっちんです。 ゲーム違います(ぉ 秋水さんとこの『祐一逃げる〜月姫編〜』に影響されまくった結果かと。 大体、あと二話くらいで終了の予定ですが…だらだら続けてもアレだし…。 取り敢えず次からはちゃんとしたコメディに戻そう…。 |